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後立山連峰と鯉幟

 5/3~4、スキールートの視察を兼ねて、後立山連峰北端の白馬連峰をプチ縦走してきました。テント1泊の単独。「はくば」と読んではいけません!山名の由来は「代掻き馬」の雪形なので、「しろうま」と読むのが正解です。今回踏んだ主なピークは、白馬岳(2932m)、小蓮華山(2769m)、白馬乗鞍岳(2437m)。白馬大雪渓および白馬乗鞍岳~栂池自然園は、山スキールートの定番となっているが、白馬岳~小蓮華山はスキーが使いにくいとの情報もあり。今回はツボ足で歩いてみて、この時期の雪の様子を確認することにしました。ルートは以下の通り。

猿倉 → 白馬尻 → 大雪渓 → 葱平 → 白馬山荘 → 白馬岳 → 馬の背 → 三国境 → 小蓮華山 → 雷鳥坂 → 白馬大池(泊) → 白馬乗鞍岳 → 天狗原 → 栂池自然園

 5/2、23:54臨時夜行列車のムーンライト信州で新宿を出発、同列車の終点である白馬へ向かう。ムーンライト信州は全席指定列車であるので、乗車には乗車券のほかに座席指定券が必要。快速列車なので、特急券は必要なし。新宿~白馬で、乗車料金が5250円、座席指定料金が510円。前日からの疲れの影響か、着席するや否や眠りに陥った。

 5/3、目覚めると既に夜が明けている。常念山脈に後立山連峰、北アルプスの峰々が朝の光に輝いている。5:36、ムーンライト信州の終着駅である白馬に到着。5:45発の猿倉行きの松電バスに乗り換える。6:12、今回山行の登山口である猿倉に到着。GWもいよいよ本番、猿倉の駐車場はマイカーで溢れている。予想通り、山スキーヤーが多い。村営猿倉荘で身支度を整え登山計画書を提出、6:30過ぎには林道を歩き始める。蛇行する林道をショートカットし標高を稼ごうと、トレースを外れ雪の急傾斜を登ったが、これが失敗だった。いつの間にか杓子尾根に取り付いてしまったよう。杓子尾根ルートも魅力的だが、今回の目当ては大雪渓のため、白馬尻方向へ軌道修正を図る。杓子尾根を下り、双子尾根を乗り越えて、ここまで1時間強のタイムロス。日光が照りつけ、額から汗が滴る中、大雪渓の取り付きである白馬尻へ着。無雪期の白馬尻には山小屋が営業しているが、雪崩多発地点のため積雪期は小屋が解体されている。右手に白馬主稜、左手には双子尾根、背後には頸城の山々を望みながら、標高を稼いでいく。白馬大雪渓といえば、雪崩や土砂崩落の恐れがあるが、この時期に雪渓中央部を行く限りでは、危険度は高くないよう。ただし、急峻な尾根筋では目の前で常に小規模な雪崩が起こっている状態なので、シールで斜登高する際には、雪渓の両端にあまり近付き過ぎないようにしたい。大雪渓を詰めると、杓子岳と鑓ヶ岳の展望が待っていた。紺碧の空がガスに見え隠れしている。稜線を右手に折れ、ここからは主峰の白馬岳を目指す。頂上直下の白馬山荘で小休止した後、14:15頃、白馬岳に登頂。小広い山頂に立っていた人は10名程度。


大雪渓を往く


大雪渓上部から見る杓子岳


ガス湧く葱平


杓子岳と鑓ヶ岳


白馬岳山頂

 白馬岳登頂後、さらに北上。馬の背の急斜面を下る。この部分のみ念のためアイゼンを着用したが、照りつける日光で雪が緩んでいたためキックステップで充分だった。栂海新道との分岐となる三国境を経て、当方の小蓮華山へ。小蓮華山は長野と新潟の県境に位置する山であるが、新潟県の最高峰である。山頂には祠と鉄剣が祀られ、白馬連峰でも宗教色の強い山であるが、近年の土砂崩落により山頂付近に立ち入ることはできない。午後になって徐々に風が強まっている。多少強行軍であるが、今日の行程は白馬大池まで。白馬大池周辺のハイマツ帯にテントを張れば強風を避けられるからだ。そして、翌日は混雑する時間帯を避けて帰京できる。小蓮華山を越えてからも、小ピークのアップダウンが続く。雷鳥坂では、繁殖期の雷鳥のカップルに出会い、仲睦まじい姿を見せ付けられる。17:30頃、白馬大池に着。山荘や湖面は雪に覆われ、夏には人の賑わう光景も、今は静寂に包まれている。風はさらに強まり、気温も低下してきているので、整地とテント設営を手短に済ます。今日の夕食は、サイコロステーキ。食事を済ませた後は、早々にシュラフに潜り込んだ。


清水岳、背後には日本海


小蓮華山、背後には頸城の山々


雪倉岳から北へ延びる栂海新道


白馬三山


雷鳥坂、恋の季節


雪倉岳への落陽

 5/4、快晴だが強風。頸城の山々の上に太陽が立ち上る。5:30起床、行動食と珈琲で簡単に朝食を済ませる。早々にテントを撤収し、6:30頃には下界に向けて歩き始める。安山岩が山積する白馬乗鞍岳の東側には、滑走に適した広大なバーンが存在している。その直下には天狗原の雪原が広がり、いくつものシュプールが刻まれている。シリセードも快調。ここはバックカントリー愛好家にとっては、天国だろう。天狗原にベースキャンプを構え、来る日も来る日もスケールの大きいオフピステに挑むといった過ごし方も悪くないかもしれない。昨年登った鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、今回登った白馬三山に惜別の思いを感じながら、栂池へと下る。


白馬大池への来光

 栂池パノラマウェイの発車時刻を早めてもらい、8:20に発車。ロープウェイとゴンドラとを乗り継ぎ、スキーヤーと観光客で賑わう栂池スキー場へ到着。ロープウェイ&ゴンドラの片道利用料金は1720円。9:33、白馬行きの松電バスに乗車するも、周辺道路の渋滞の影響で、10:00白馬発の大糸線には乗り継げず、次の列車までの約2時間半を潰すことになる。そこで、昨年も立ち寄った、白馬駅から徒歩10分程度の場所にある日帰り温泉、みみずくの湯で汗を流してくることにした。12:26発の大糸線に乗車、松本で中央線普通列車に乗り換え、更に小淵沢でホリデー快速ビューやまなしに乗り換える。ビューやまなしは、指定日運行の臨時列車。乗車時間を短縮できる上に、全車両2階建てのボックスシート。乗車料金のみで利用できるので、お得感がある。乗り継ぎの待ち時間含め、白馬から7時間半かけて家路に就いた。

* 白馬村振興公社
* 白馬館グループ
* 白馬観光開発
* 栂池高原観光協会
| Mt. | 2008.05.04 15:04 | 山::登山 | comments (4) | trackback (0) |
白馬駅より

 白馬駅よりケータイで投稿します。
 山スキールートの下見を兼ねて白馬を縦走してきました。またも文句なしの快晴続きでしたが、今日は風が強いです。これから在来線でちんたら帰京しまーす。
 写真は杓子岳です。
| Mt. | 2008.05.04 12:01 | 速報 | comments (x) | trackback (x) |
 GWも半ばとなりましたが、好天が続き、日本アルプスをはじめ各地の山岳地帯では、登山者が雪山登山や山岳スキーに精を出していることでしょう。さて、そのような中、ショッキングなニュースを目にしました。東大スキー山岳部監督の新井裕己氏が五竜岳山頂付近で滑落、死亡したとのことです。以下、4/28付の読売新聞の記事より抜粋。

山岳スキーヤーの新井裕己さん、北アで死亡…捜索ヘリ発見

 28日午前8時10分ごろ、長野、富山県境の北アルプス五竜岳(2814メートル)山頂から約300メートル下の急斜面で、群馬県高崎市九蔵町、東大スキー山岳部監督新井裕己(ゆうき)さん(32)が倒れているのを、長野県警ヘリが発見した。新井さんは既に死亡していた。
 同県警大町署の発表によると、山頂付近には、新井さんのものとみられるスキー板が刺さっていた。同署は山頂付近から滑落したとみている。
 新井さんは山岳スキーをするため、23日から同県白馬村から1人で入山、24日に下山する予定だった。新井さんの知人が27日夕、「新井さんのブログが更新されてない」と、同村遭難対策協議会に連絡し、28日朝から県警が捜索していた。
 新井さんは、鹿島槍ヶ岳北壁などの初滑降記録を持つ、日本を代表する山岳スキーヤー。ロッククライミングにも精通し、日本山岳協会選手強化委員を務めている。

 山岳雑誌等では氏の寄稿した文をよく目にしていました。また、氏は自らの肉体と精神を実験台として、山岳という舞台を研究所として、先進的な登山を精力的に、かつ科学的に追及する方のようにお見受けしていました。とても残念です。24日を下山予定日として、23日にHAKUBA47スキー場から入山するも、無届だったとのこと。恐らくは遠見尾根を辿り、五竜岳山頂へ。五竜岳山頂から武田菱に滑走ルートを開拓する計画だったようです。生前の功績を称えると共に、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

* Laboratorism
* Yahoo!ニュース
* Yahoo!ニュース 山岳事故
* 読売新聞
* 長野県山岳連盟
| Mt. | 2008.05.01 10:36 | 山::山岳情報 | comments (8) | trackback (0) |
槍ヶ岳&穂高岳

奥穂高モルゲンロート

 4/26~29、単独テント3泊で槍穂を歩いてきました。しかし、ピークに立てたのは、奥穂高岳(3190m)と涸沢岳(3110m)のみ。標高でいうと、国内第3位と第8位のピークなり。上高地開山に伴って、槍沢および涸沢からピークを目指しました。どちらのルートも雪崩多発のため、積雪が安定するこの時季以降のみ利用できるルートです。

上高地バスターミナル → 明神 → 徳沢 → 横尾 → 槍沢ロッジ → ババ平 → 大曲(泊) → ババ平 → 槍沢ロッジ → 横尾 → 涸沢(泊) → ザイテングラート → 白出のコル → 奥穂高岳 → 白出のコル → 涸沢岳 → 白出のコル → 小豆沢 → 涸沢(泊) → 横尾 → 徳沢 → 明神 → 上高地バスターミナル → 大正池 → 上高地温泉ホテル → 上高地バスターミナル

 4/25、23:54新宿発の夜行臨時列車ムーンライト信州に乗車。翌日の天候を案じながら、眠りに就く。松本までの列車運賃は、乗車料金が3890円、座席指定料金が510円。

 4/26、松本には4:32着。ムーンライト信州の運行に併せて発着する、4:45新島々直行の松本電鉄臨時列車に乗り換える。松本電鉄からの車窓から見上げる空に限っては、天候が崩れる予兆は感じない。沿線の桜はちょうど見頃を迎えている。5:08、終点の新島々駅に到着。5:20、上高地行きの松電バスが発車。松本から上高地への運賃は、往復4400円。梓川の清流に沿って、バスに揺られながら上高地へと向かう。稲核ダムを過ぎる頃から天候が怪しい。青空は厚い雲に遮られ、雨粒がバスの車窓を濡らしている。うつらうつらとしていると、バスは新釜トンネルを潜り、左手には大正池が見えてきた。定刻通り、6:25上高地バスターミナルに到着。身支度を整えて遊歩道を歩き出す。雨は上がっている。翌日に開山祭を控える早朝の上高地は、人も疎らで、爽やかな涼風が心地よい。所々雪を踏みしめながら小1時間も歩くと、明神に到着。更に雪の残る平坦な道をもう1時間程進むと、氷壁の舞台である徳沢に到着。雲の動きが目まぐるしい。青空が見え日が射したかと思うと、雪がちらつき雨に変わり、たまには雹が降ってくる。先の天候は読めないが、唯一わかるのは大気が不安定だってこと。途中からは、雪の残る遊歩道ではなく、治山工事用道路を歩く。上高地から歩き始めて2時間半、涸沢と槍沢の分岐点である横尾に到着。周囲にいる登山者の大半は涸沢に向かうようで、これから槍沢に向かうのはオレと2人組の1パーティーのみのようだ。横尾を過ぎると積雪量が増す。雨が止まぬ中、一ノ俣と二ノ俣の橋を渡り、槍沢ロッジへ到着。槍沢ロッジでは、土間に迎え入れ暖を取らせてくれた。先行する2人組のパーティーとここで落ち合い、今日の予定について言葉を交わした。2人は槍沢を詰め、水沢乗越から東鎌尾根を越え、天上沢方面に下るとのこと。大曲までは行程を共にすることとなる。槍沢ロッジを出発、槍ヶ岳に向けて少しでも歩を進める。雨は強弱の変化を繰り返しながら、相変わらず振り続けている。槍沢では左右にデブリが山積し、ここが雪崩の巣であることを物語っている。状況次第では撤退することも選択肢に用意しなくてはならない。ババ平を過ぎる頃から雪深くなり、前日からのトレースは消失。この時季としては異例といえる程、雪が締まっておらず、時には腰まで浸かるラッセルを強いられる。先行く2人はワカンを用意している。2人とは大曲で別れる。2人はワカンを装着し、東鎌尾根に取り付いて行った。天候も悪いので、オレはここで幕営し、天候回復を祈念しながら、明日に備えることとする。辺りはデブリが散乱し、いかにも雪崩の危険性を示しているので、槍ヶ岳に向かって右手の大地に上がり、斜面をスコップでL字型に切って、そこにテントを設営する。悪天候時、1人での整地およびテント設営は苦労する。テント設営後は、行動食で簡単に食事を済まし、雨で湿ったシュラフに潜り込んだ。テントの外では雷鳴が轟いている。周囲には誰もいない。


槍沢を往く先導者

 4/27、既に雨は雪へと変わっている。夜のうちも、強風と降雪の影響で深い眠りにつけなかった。テントの上に積もる雪を除くために起床と就寝を繰り返していたからだ。朝までに4~50cmの降雪があった模様。前日、テントの外に出しておいたアイゼンも、完全に雪に埋もれていた。前日に自分がつけたトレースも完全に消失している。夜は明けたがこの時点で天候回復の兆しはなし。撤収時には、強風でテントが飛ばされかける。槍沢にこれだけの新雪が積もり、最も恐るべき雪崩の危険性が明らかに高まったことにより、悔しいが撤退の意思を決める。装備の大半が水に濡れ、体調も優れず、好条件はひとつもないので、仕方がない。さて、これからどうするか。横尾に就いた時点で今後の行動を決めることにした。横尾に向かって、折角稼いだ標高を下げていく。途中、これから槍ヶ岳へ向かう登山者と何回かすれ違ったので、積雪の状況と雪崩の可能性をアドバイスした。槍沢ロッジを過ぎ、屏風岩を見上げる頃には、青空が姿を見せていた。横尾に到着する頃には、高度を上げた太陽が穂高の峰々を照り付けていた。上高地を散策し帰京することも検討したが、白銀に輝く峰々を目にしてしまうと、このまま帰るわけにはいかない。時間と食糧は用意している。横尾大橋の傍らでサイコロステーキを調理、空腹を満たした後、涸沢へと足を運ぶことにした。屏風岩の大岩壁がそそり立っているが、取り付いているクライマーはいないようだ。横尾谷との分岐を過ぎると涸沢は近い。14:00前に涸沢に到着。色とりどりのテントと鯉幟が白一色の世界に彩を添えている。天候はすっかり回復しているので、涸沢で2晩過ごすことにしよう。翌日に奥穂をピストンし、翌々日に上高地を散策し帰京することにする。2泊3日のベースキャンプとなるので、快適に幕営できるように確りと整地を行った。暮れ泥む穂高の峰々の写真撮影に興じた後は、カレーライスを自炊し、シュラフに潜った。


見よ!この整地技術


空を翔る

 4/28、5:00起床。穂高の主稜線は雲に隠れ、風が強い。フリーズドライの味噌煮込みうどんで朝食を済ませ、出発に向けて身支度を整える。GWの間、涸沢に常駐している長野県警山岳遭難救助退院が、強風のため登山者に注意を喚起している。白出のコルで様子を見、風が荒んでいれば登頂は諦めるように、と。アイゼンのストラップと共に気を引き締め、雪崩のリスクが少ないザイテングラードを登る。所々積雪が風でクラストしている。稜線に近付くと、強風は猛威をまし雪煙を巻き上げる。白出のコルを目指す登山者は多いが、強風のため奥穂登頂に挑む登山者は数える程しかいない。あまり自身のないものは涸沢岳に方向転換しているようだ。さて、ここからが今回山行の本番。安全、そして確実に奥穂ピストンを済ませよう。ステップを蹴り込みながら、雪壁を登る。2段の梯子を登り切った部分のみ雪が柔らかくピッケル&アイゼンが効き難いが、あとは順調。


涸沢テント村


返り見すれば遠ざかる まぶたに残るジャンダルム


烈風の中、奥穂の頂へ


涸沢岳のピークを踏む


涸沢に日が沈む


夕照の前穂北尾根


涸沢さらば また来る日まで 横尾へ続く雪の道


焼岳と大正池

| Mt. | 2008.04.29 23:36 | 山::登山 | comments (6) | trackback (0) |

 GW前半戦ということで、槍穂をウロウロしてきました。単独でテント3泊。これから上高地を散策し、温泉で汗を流して帰京します。
 写真は前穂北尾根。前穂北尾根ダイスキ。
| Mt. | 2008.04.29 11:01 | 速報 | comments (x) | trackback (x) |
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